子犬の育て方
独自の進化と国を渡った歴史
パピヨンの原種とされているのはスペインが原産のトイスパニエルと言われており、
後にイタリアやフランス、ベルギーなどに渡るうちに繁殖や身体を小さくする
品種改良が重ねられ、いつしか現在のよう蝶の羽根の形をした耳が形作られて来ました。
その耳が現れたのは突然変異という説や、他の犬種との雑種によって生まれたなど
諸説ありますが、それ以上に人懐っこさや可愛らしい姿が多くの人々を引き付けました。
犬種としてのトイスパニエルが認識され始めたのは15世紀以降のヨーロッパとされ、
当初は王族や富裕層の愛玩犬として親しまれ、やがて一般庶民へも広がっていきました。
18世紀頃に前述の変異が現れ、これがパピヨンの起源だと言われています。
その時代にはマリーアントワネットもパピヨンを飼い、フランス革命で処刑される直前まで
一緒に過ごしていたという記録もあります。
現代になり公式原産国はベルギーとフランスが認定され、本家本流の血脈が引き継がれています。
どのようなルートから生まれた個体も可愛らしいですが、より高貴な血統を求めて
ベルギーやフランスが原産の個体を選ぶ方も多く、ペットショップ市場では高い人気を誇っています。
混同を避けて正式な犬種に認定
原種から派生した蝶のような可愛らしい耳を持つ個体は長きにわたり正式な呼称がなく、
しばしば混同による混乱が見られていました。明らかに品種改良や独自の進化を辿ったにも関わらず、
原種のトイスパニエルと同種とされた時代が続きました。
それらの混乱を避けるために、1902年にベルギーで開催されたドッグショーで、
正式にパピヨンと認めたのが始まりだと言われています。
現代では世界的に権威のあるFCI(国際畜犬連盟)が制定するFCIスタンダードにより、
パピヨンが正式な犬種に認定されたのと同時に定義も定められました。
加盟国はその規定に従って犬種を取り扱う必要があり、日本も加盟国になっています。
頭や身体の形状や大きさ、歯や顎、舌、そして特徴的な耳の形状など細かな規定があります。
さらに誇り高くエレガントな歩き方をするなど、動作までも基準があり、
全てを満たした個体だけが正式な犬種として認められると言う厳しいものです。
一方、はずかしがり屋であることも記載されており、パピヨンが持つ可愛らしさを裏付けしています。
日本国内で流通しているパピヨンはそれらの定義に沿っており、正当な個体となっているので安心です。